一月も半ばを過ぎ、とっくに正月気分は抜けていますが、まだまだ今年最初にお会いする方との会話は 「今年も宜しくお願いします」 との会話で始まります。
昨日、当社が関わっている現場にちょっとした用事があり伺ったところ、現場を担当されている課長さんとひょっこり出会い短い間でしたが二人だけの会話の時間がありました。
会話の中で、今担当しているこのプラントは台湾にコピープラント(設計を含めプラント全体をそっくりそのまま別の場所に作った装置のことを業界ではコピープラントと呼びます)があるが、高度な技術やノウハウを必要とする基礎原料や中間品などは日本からしか供給していなかった。だが今度台湾サイドで作るように決定がなされ日本にしかなかったプラントを作りに暫く前まで台湾に赴任していた。
そして今ある日本のプラントは解体撤去する方針が決められた。おそらくプラントを解体撤去した跡地には何も作られることはないだろうとの話をされました。その横顔は寂しそうで無念の気持ちがこちらにも伝わり帰りの車の中で、自分自身もしんみりとしてしまいました。
実は、このような話はここだけの話ではなく、あちこちでよく聞くようになりました。日本にあるプラントをそっくりそのまま主に東南アジアの国々に作って、そこから製品を供給するというような仕組みが日本の名だたる化学品メーカーでは特に近年顕著になったようです。
当社のある千葉県でも大手化学メーカーの巨大なプラントがこの数年で停止したり解体されたりしました。
私には何故日本のプラントが競争力を失っていくのか、それには様々な理由があるにせよ本当のところは解りません。
我々はこの業界に生きている者として、このような状況が続けばやがて全国から製油所や化学工場が消えてなくなるのと軌を一にして、我々も消えてなくなっていく運命にあるのではないかと思っています。
そのような運命を共にしない為に今こそ知恵を絞り、積極果敢に新たなことに挑戦する気構えで今年一年頑張ります。