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外国人労働者受け入れについて

外国人労働者を受け入れる話題の前に、2019年10月のブログを先にお読みになってから、本ブログをお読みになると、より理解が深まるのではないかと考えます。

正社員を募集している現状については前回のブログに書きましたが、現状は募集を出しても当社のような中小企業では募集に応じてくれる求職者はそう多くはいません。少なからぬ予算を掛けて募集をしますがコスパの悪さは相当なものです。

プラント業界などでは5~6年ほど前から、まず技能労働者をプラント工事に従事させることを発注側に働きかけて実現させてきました。当初は大手のエネルギー企業や化学企業は高度なノウハウに守られているプラントに外国人労働者を入れることには抵抗があったようです。しかし日本人の職人さんが高齢化して、その代わりとなる若い世代が業界に入ってこなくなったために、施工する側としては止む得ないことだったのです。少子高齢化の要因もあるでしょうが、若い人たちに3Kの職場が敬遠されているというのも一つの要因でした。

その後、施工管理を行う日本人の監督さんも同じような要因で人手不足となり、数年前より外国人の監督さんが現れてきました。

そして現在では発注者側にも施工者側にも多くの外国人が働いています。

しかし、現在の日本を取り巻く環境から考えて、将来に渡って技能者や高度人材を含め日本の労働力不足を補うほどの外国人が来日するとは考えにくい状況にあります。また、監督としての立場で日本での就労ビザを獲得するのは、諸外国に比べてかなり難しいのが現状です。

監督業務が可能な就労ビザのカテゴリーは(技術・人文知識・国際業務)を取得するのが絶対条件となっています。

当社は一人の中国人留学生を当社の社員にするために、行政書士事務所の方々からの助力を得ながら、留学ビザから就労ビザに切り替えるために必要な書類を準備してきました。先ごろ申請可能な書類が揃いましたので東京入管に申請をいたしました。ビザの切り替えをせずに留学ビザのままでの労働は違法です。

その中国人留学生は、当社の募集を自らの力で見つけ、そして社員募集の門を叩いたのです。

当社は幾度かの面接を行って、本人の入社に対する意志が固いことを確認した後、会社始まって以来の外国人の採用を決定しました。

彼の名前は、孫 明(そん めい)君といい、中国の4年制大学(理工系)を卒業後、遼寧省の火力発電会社に勤務した後、日本の専門学校へ留学して今春専門学校を卒業しました。日本での就職を希望する中で当社を知ったそうです。日本語能力検定試験のN1を留学中に取得した頑張り屋です。

孫 明 君が就労可能な在留カードを取得する条件としては(技術・人文知識・国際業務)のカテゴリーの在留資格が必須ですので、下記の書類が必要となります。
1. 履歴書
2. 卒業証明書、成績証明書、出席証明書(日本の学校)
※ 工学系の専門学校である場合は専門士の資格の証明が必要
3. 卒業証明書、学士証明書、成績証明書(外国の大学)要日本語翻訳
※ 4年制の大学(理工系)である証明
4. 日本語能力検定試験 N1の合格証
5. 住民票(全員分)
6. 本人パスポート、留学ビザの在留カード、証明写真(4㎝×3㎝)2枚

以上が本人が用意すべき書類です。

今度は社員として受け入れる我々が用意すべき書類です。

1.雇用契約書または労働条件通知書
2.商業登記簿謄本
3.決算報告書(直近分)
4.会社案内
5.採用理由書(これが一番重要視されるそうです。内容がいい加減だと申請が却下される可能性が高いそうです)今回一番苦労をして作成した書類です。
6.源泉徴収票の法定調書の写し(電子申告の場合は税務署からの受付メールが表記されていること)

以上の書類を用意して、東京出入国在留管理局に提出します。早くて1ヶ月、遅くなると3カ月程度はビザの発給がかかるそうです。日本人で後継を託す人たちが少なくなる中で、孫君には長く働いてもらって一人前の施工管理者に育ってくれることを当社は強く望んでいます。

社員募集について

当社は6月27日までマイナビ転職に正社員募集を掲載しています。この2年間で数回掲載しましたが今回は応募者が過去に比べて特に少ないです。

マイナビリクルート等の転職サイトをご覧になればお分かりかと思いますが、もの凄い数の会社が社員の募集を出しています。おそらく数万社もの企業が募集を掲載しているのではないかと考えます。

その中に当社の募集サイトもあるのですが、考えに考え抜いた募集サイトを構築しても数万ものサイトの中に埋没してしまっているのが現状です。

社員募集を希望する企業にはその企業専用のサイトが用意されています。当社も専用のサイトが用意されています。

企業の専用サイトには転職を希望して登録をしている人たちの中から、この方はどうですかと今流行りのA I によって選ばれた求職者が定期的に紹介されてきます。多い時だと20名近くの求職者の方の紹介があります。

その方たちの個々のプロフィール欄には、直近30日間に企業から求職者に対して何通のスカウトメールが発信されているのか専用サイトでは分かるようになっています。以下のスクリーンショットは当社へ紹介された登録者の一部です。

少ない人で150通程度(これで少ないほうです)多い人だと300通以上のスカウトメールが届いているのが分ります。

紹介されてきた求職者の方たちの中から、当社が興味があると思った人たちに対しスカウトメールを出すのですが、それは何百通の中の1通にしかなりません。

ことほど左様に現在の求人は苛烈になっているのです。5年ほど前に求職者1名に対して応募企業の比率がどれほどあるのかを聞いたことがあるのですが、その時は確か1:5の比率だったと記憶しています。最近聞いた比率は1:30だそうです。つまり求職者1名に対して応募企業の数が30倍あるということです。人手不足ここに極まれりという感じでしょうか。

少なくない金額を掛けて転職サイトに応募を出すことに対し、コスパ的にどうなんだという思いが募る今日この頃です。次回は外国人労働者について書きます。