日別アーカイブ: 2016年1月28日

社費による語学留学

当社社員がフィリピンセブの英語学校に社費留学をします。
なぜ語学留学なのか。なぜ社費による留学なのか。それを説明する前に昨年当社に起こった、ある出来事からお話をしたいと思います。

それは昨年の7月中頃、当社に掛かってきた一本の電話でした。
電話の内容によれば、日系のインドネシア工場のプラントで海水配管からの漏れが止まらず、とうとうプラントが停止したと、当社の取引先に入ったそうです。
その取引先によって建設されたプラントであったために、緊急対応で早急に海水配管を復旧させるべく、急遽対策チームが編成されることになり、当社へも対応可能なメンバーの派遣要請がありました。
当社においても重要な取引先でもあることから、当社の社員の中でも、このような事態に冷静に対処できるメンバーを人選しました。
その時、やり取りした中で、このような事態には最も対応可能なメンバーですが、英語はできませんよということを伝えました。
それでもよいのなら、明日にでも現地へ出発可能ですとも伝えました。
先方からは、現地では通訳も付くし、もとより現地のワーカーは英語を解さないので問題は無いとの回答を得ました。
その後、当社からの派遣者2名は取引先本社にて現地の状況や補修計画等の説明を受け直ちに現地へ飛びました。
現地に到着後早速現場の状況を確認して、補修工事を行う段取りを始めたのですが、現地の日系企業の社員から、昼夜2交代にて作業を進めて欲しいとの要望が出されました。
そのプラントが停止することによる損害は一日数億円とのことでしたので、それに応えるべく、当社から派遣した2名は昼1名、夜1名の体制で作業を進めることとなりました。
数日が経過した後、現地日系企業の日本人社員から夜を担当しているエンジニアは英語ができない。
これでは実際に補修を担当する現地企業とのコミュニケーションができないではないかとの強い指摘をうけました
当初は、英語は必要ないとのことでしたが、実際は夜には通訳はおらず現地企業とのやり取りに支障が出ていたのは事実です。
しかし、初めに英語力は必要ないとのことだったではないかと訴えても、プラント工事を経験している者からすると、机上での話しと現地での話しが違うのは、これは当たり前の話しであり、むしろ、何事も順調にプラン通りに進むことなど、まれであることは当社の社員なら誰でも知っていることです。
現場では毎日何らかの問題が発生し、その問題の解決能力のある者が優秀なエンジニアともいえます。
問題解決能力はあるが、言語の違いによるコミュニケーション不足は、如何ともしがたいものがありました。
現地での話し合いにより、夜を担当していた一人の社員は、一週間を持たずして帰国の途につきました。

このことは当社並びに本人に屈辱の念を抱かせるに充分でした。
そして、このことが当社の今後の行く末を決めるのに決定的な出来事となりました。
技術力にプラスして語学力を備えたエンジニアを養成する。
これは当社が他社に対して決定的なアドバンテージを得る方法であると結論付けました。

インドネシアで屈辱的な経験をしたエンジニアは、今月フィリピンの地に降り立ち、英語力を上げるべく勉学の日々を過ごします。
そして、近い将来誰にも文句を言わせない立派なエンジニアになるでしょう。
全額社費による留学は、当社のような規模の会社には経費的には厳しいものがありますが、金銭的な面で行きたくても行けないエンジニアが出ることを防ぐために、ここは無理をしてでも全額社費による留学を決めました。

既に第二陣のメンバーも決まっています。