定年後の生き方(一考察)

先週末に、千葉地区で春先から夏にかけて行われた石油精製装置や石油化学プラントの、定修工事に携わってきた当社のメンバーでご苦労さん会を行いました。
当日は23名の出席者で和気藹々と楽しい時間を過ごしました。
参加メンバーの中に、定年退職後は仕事からは、一切離れた生活を、数年間過ごしてきた方がおられ、今回、現役時代に携わった業務に、それこそ数年ぶりに応援という形で、復帰された方がいらっしゃいました。
その方との会話や、以前退職された方との会話で、印象深かった話を今回思い出しました。
それは、退職後の人生の過し方に影響を与える話です。

退職する前は、毎日同じ通勤経路にて職場に入り、そこで現場に出たり、デスクワークで長時間働くのが日常だった。ところが定年の日を境に、通勤というものが無くなり、机の前に座ることも、現場に出ることも、上司や同僚、取引先の担当者と話すこと、とにかく会話それじたいがなくなった。
毎日の仕事始めのミーティング、部課内や取引先との打合せや会議、会社の仲間との息抜きの雑談、上司からの無茶ぶりなどの仕事は勿論のこと、帰りの仲間とのちょっと一杯なども、すべて無くなってしまった。
退職してから週末に、ちょっとした用事で街にでたが、そこで見たものは、居酒屋、レストランなどは、人であふれてどこもかしこも超満員だった。ちょうどボーナス時期であったこともあり、これからの連休を控え、仕事から解放された様子の男女の会社員であふれていた。そのとき強く感じたのは 「自分にはこのような週末はもうやってこない」 ことだった。

会社員でいるときは自分で工夫しなくても、仕事をするということで当然のようにスイッチが入るようになっている。そして、それが良くも悪くも、リズムとなって自分の体に染みついている。
しかし、退職するとほぼ全ての人が生活のリズムを作り出すのに苦労する。
まず、「朝起きて一時間程度かけてウォーキングをして、その後朝食をとると、新聞を隅から隅まで読む」 という。 「新聞を隅から隅まで見て、それすら終わるとテレビを漫然と見ていることが多い」 これではボケてしまうと、できるだけ外出することを心がけている。図書館や公園などをぶらぶらしていることが多い。特に図書館には多大なお世話になっている。しかし図書館では、真面目に勉強しにくる若い子たちの邪魔になりそうで、彼らの下校時間に合わせるように、その時間になると退館していた。
ある一人の方は、午前中はゴルフの練習場に通いつめたそうです。午後は家庭菜園や庭木の手入などをして過ごしていたそうです。
月に数回、親しい仲間とコースに出るのが最大の楽しみだと。

皆さん共通して言われていたのが、退職後、ある程度の時間が経過すると、だんだん曜日の感覚がなくなる。土曜日、日曜日はそれほどでもないが、平日の曜日が分かりにくい。家内とショッピングセンターへ買物に行ったのが昨日だったか、一昨日だったかが明確でなくなってきたと。
退職すると、人との接点が極端に減ることは厳然とした事実なのだ。やはり人は一人では生きていけないのだと。

多くの定年退職者の方の話を聞いていると、定年というものはある日を境にやってくるが、人は一気には変われない。
一生続けることのできる趣味を持つ、生活している場所のコニュニティーに積極的に参加する。
だが、なんといっても一番大事なことは、当社のような派遣会社に登録して、定年までに得た自分の知識や経験が、そこに活かせるような仕事があれば、健康である限り参加する。このことが世間との接点を持つ一つの方法として、すごく大事なことだと私は思います。
そうすれば、今回のような慰労会にも大手を振って参加できるのです。(ちょっと我田引水の部分が入っています)