桜の季節になると思い出すこと

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事務所の近くには桜の並木があり、3月31日現在では5分咲き程度で、おそらく2~3日ほどで満開になるのではと思っています。

この季節になると、数十年前に某国に長期の出張に行っていたときのことを思い出します。その国での出張は過酷なものであり、製作に対しての考え方や仕事の進め方等で、いつもその国のメーカーの担当者とぶつかり、毎日が喧嘩腰での仕事をしていました。
日本人が私一人だったことや、日本とその国での過去の歴史の経緯などがごちゃ混ぜになり、双方複雑な思いを胸に抱き仕事を進めるような状態でした。
夕方事務所へ帰り、今日の仕事の整理や報告書等を書き終え、ふっと後ろを振り返ると事務所2階の窓越しから、夕日が水平線を真っ赤に染めているのが見えました。あ~、この海の先には母国日本があるのだ。ビザの書き換えで今度日本へ帰れるのは5か月後か。その時期の日本は桜の咲く季節なのかなと思ったその時、一筋の涙が頬を伝って落ちていったことを今でも覚えています。
晴れて5か月後、日本に一時帰国したときに走っている車の中から満開の桜が見えた時、またしても涙が今度は滝のように流れたことを昨日のように思い出します。
そして、数十年経った今では、あれほど過酷だった出張であったとしても、懐かしく思えるようになるのが普通の感覚でしょうが、今でもあの出張だけは悪夢であり、私の中では今でも黒歴史としてトラウマになっています。
矛盾するようですが、あの国の庶民の方たちは本当に純粋な人が多く、たくさんの良い思い出をもらったことも併せて書き記しておきます。