京アニ事件を教訓として

最近の当社のブログは小ネタ集のようになっています。

今回も小ネタで申し訳ありませんが、当社の事務所は建設当時から出入口が1カ所しかなく、もし火事とか地震とかで入口から出ることができなくなった場合には、給湯室かトイレの窓から飛び降りるしか方法がないなとずっと思っていました。もちろん建築基準法や消防法、市条例等には全て合致した建物です。

もし何かあった場合、当事務所の前面側の窓は全て強化二重ガラスなので、ハンマーで叩いても簡単には割れないとのことで、ガラスを割って外に出ることは不可能だと思えます。

しかし、危ないなとは思ってはいたのですが、現実に出入りができなくなったことは、今まで一度もありませんでした。また出来上がった後に工事をすると、建設時にかかるお金と違い、同じ工事でも数倍ものお金がかかることは知っていましたから、なかなか新たに出入口を設置するという決断ができませんでした。

ですが、今年の7月に京都アニメーションが放火され、死者36名もの尊い犠牲者がでた痛ましい事件があったことで気持ちが変わりました。あの事件はガソリンを撒いて放火したことで爆発的に炎と煙が広がり、結果多くの人が逃げ遅れ犠牲になりました。

当社も出入り口が1カ所では、もし京都アニメーションのように出入口付近で可燃性の液体等を撒かれ、放火されるようなことがあれば、これはもう逃げ場が全くなくなることが明らかでした。よって、ここは多少お金が掛かっても、避難出口を設置するという決断をいたしました。

夏の終わりに工事を発注しましたが、今年の秋に幾度も襲ってきた台風により資材の納入が遅れに遅れ、やっと先日工事会社からドア枠とガラスが納入されたので設置したいとの連絡を受け、今週早々避難用の出口ドア工事を行いました。

以下、工事の様子を写真にて紹介します。

今まで出入口はここ1カ所だけでした。
新たに今までの出入口側と反対側に、避難を目的とした出口を設置します。
出口の設置工事前です。向かって右端のガラスを取外して、新たに出口を設置します。
今まで入っていたガラスを取外します。
外したガラスは98㎏もあり、大人4人で抱えて搬出しました。
このガラスも他のと同じ仕様の断熱強化二重ガラスです。
普段は特にここから出入りすることはありませんが、今後なにか不測の事態が起こった時は、このドアを開けて避難が可能となりました。お金は少々かかりましたが、何物にも代えがたい安心・安全が手に入ったかなと思います。