当社には昨年の秋ごろから、本年4月から施行される働き方改革についてのアンケートが送られて来るようになりました。年が明けてからは、より沢山の会社からアンケートが送られて来るようになりました。
何れの会社もアンケートの内容は、派遣元としては均衡均等方式なのか、労使協定方式なのか、どちらを採用するのかを問う内容でした。
ただ、その文面を読み取ると、ある会社から送られてきたアンケートでは、我社は貴社に対して労使協定方式を望むとか、別の会社からは均衡均等方式を望むのであれば見積を提出せよとか、程度の差こそあれ、どの会社からも文面からは明らかに自社の賃金を開示したくないとの思いが、にじみ出ているアンケートでありました。
アンケート自体には誠意を以って記述して返送をしていますが、当社の立場から一言言わせてもらうと、正規社員と非正規社員の賃金の格差が大きいため、その格差を縮めるために成立した法律だという基本的な部分を、派遣先は理解しているのだろうかという思いが我々にはあります。
具体的な例として「単価改定の根拠を提示せよ」との内容のメールが届いたこともありました。
単価改定の根拠と言われても貴社の賃金に、より近づけるために単価改定のお願いをしているのであって、当社の賃金アップの根拠を示せと言われても派遣先に所属している正規社員の賃金が開示されない限り、どう示せばよいのか我々には分りません。ですから派遣先の正規社員の賃金は、この程度ではないだろうかという価格を提示しているわけです。
「諸物価高騰の折、物みな上がり、原材料、販売費等々の遣り繰りができなくなりました」「ここに値上げの根拠を提示いたしますので、何卒、発注元に於かれましては値上げを認めてくださいませ」
このような理由により契約単価を上げるのではなく、法律の言わんとする賃金格差を是正するために単価のアップが、あり得ることを各社の担当の方には是非とも理解をしていただきたいのです。
もちろん単価のアップ分は、当社で働く人たちに賃金のアップという形で、我々は報いるつもりです。
もう一つの働き方改革の目玉が、残業規制と有休消化の強制化ですが、これについても、従来許容されていた残業時間よりも遥かに厳しい残業時間の管理を要求されるとともに、有休を消化できなかった場合には、会社への新たな罰則規定も盛り込まれました。
今回の働き方改革が目指す同一労働同一賃金が、どのような経緯で成立したのかを、もう一度皆さんで考え直していただきたいと切に願うものです。